現在、オゾン層破壊や地球温暖化の環境問題の観点から、CO2などの自然冷媒が注目されている。このCO2冷媒は、オゾン層破壊能力が無く、温室効果も従来の冷媒に比べると約1000分の1程度と遥かに低く、人体に無害で可燃性が無いので、環境面・安全面共に優れている。そのため、フロン系の冷媒に代わる次世代冷媒として、期待されている冷媒の一つである。CO2冷媒は臨界温度が低いため、空調用機器等に適用する場合、高圧側が超臨界、低圧側が臨界圧以下の遷臨界サイクルとなる（図１）。そのため、臨界圧以下のサイクルとなる従来の冷媒とは、伝熱過程が異なる。
　本研究室では、CO2冷媒の遷臨界サイクルのサイクル特性についての実験を行っている。図２に臨界圧付近の冷媒の写真を示す。