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研究紹介

微細な流路を有する扁平多孔管の沸騰・凝縮熱伝達特性

現在では,冷凍・空調技術は人類の生活に欠かせないものになっています.しかし,冷凍・空調機器に用いられている冷媒は地球温暖化などの要因となっており,現在では規制が強化され,将来的には廃止される見通しです.現在の冷媒に代わる,地球温暖化への影響が極めて小さい新しい冷媒の開発が世界規模で行われていますが,新しい冷媒は既存の冷媒と比べて性能が劣っているため,冷凍空調機器の高性能化が課題です.本研究では,機器の熱交換性能の向上のために,熱交換器伝熱管の細径化や内面溝付管などの伝熱促進管に着目し,伝熱特性の把握や,熱伝達整理式の開発により,新しい冷媒に適した伝熱管の設計に貢献することを目的としています.

        Fig.1 実験装置概略                 Fig.2 テストセクション

プレート式熱交換器の沸騰・凝縮熱伝達特性

環境問題に対する取り組みが世界中で注目される中,冷凍空調機器に使用する冷媒としてHFO冷媒(オレフィン系冷媒)が注目されています。しかし既存の冷媒と比較すると潜熱が小さいため,熱交換器の高性能化が求められています.プレート式熱交換器は,冷媒流量あたりの伝熱面積を大きくとることができるばかりでなく,プレート形状の工夫によりさらなる伝熱促進効果が期待できます.一方で,プレート式熱交換器を気液二相流に用いると,複雑な伝熱面形状によって,冷媒の幅方向に不均一な流れが生じるため,伝熱性能が低下します.そこで本研究ではプレート式熱交換器内の流動特性,伝熱特性を明らかにするため,プレート内の局所熱伝達率測定および冷媒流動の可視化実験を行っています.(図1, 2)

        Fig.1 プレート式熱交換器局所熱伝達率              Fig.2 可視化画像

低GWP次世代冷媒の輸送性質測定

環境に適した次世代型冷媒の熱物性データの測定,予測計算式の開発により地域社会への貢献を目的とし,研究を行っています.次世代の冷凍空調機器開発においては,環境問題の観点から冷媒の環境適合性への配慮が求められています.現在,既存冷媒に代わる地球温暖化係数(GWP)の小さい次世代型冷媒が注目されていますが,その熱物性,特に輸送性質に関する報告は非常に少なく,機器設計に支障をきたしています.本研究では,新冷媒実用化へ向け,次世代型冷媒の輸送物性に関する熱伝導率,粘度の測定を行っています.さらに,その実測値を元に拡張対応状態(ECS)モデルによる相関式,予測計算式の開発を行っています.熱伝導率は非定常細線法,粘度は細管法により測定を行っています.熱物性データの公開により,次世代冷媒対応機器の開発に貢献し,次世代型冷媒が世界中に広く普及することで地球環境問題への貢献を目指します.

       Fig.1 熱伝導率測定装置               Fig.2 粘度測定装置

地中熱源空調システムに関する研究

地中の温度は,年間を通してその地域の平均気温程度となり,夏は冷たく,冬は暖かい熱源が得られます.空調の熱源として地中熱源を用いることにより,システム性能の向上が見込めますが,地中への熱交換器設置などの費用がかさむため,普及が遅れています.本研究テーマでは,地中熱源空調システム設置および運転コストの削減を目的として,地中熱源-空気熱源ハイブリッドシステム(図1)の開発を進めており,フィールド試験により性能の評価を行っています.(図2)

        Fig.1 ハイブリッド空調システム              Fig.2 フィールド試験装置

除霜運転時における蒸発器内の冷媒流動

本テーマでは,除霜運転時の冷蔵庫蒸発器内の冷媒挙動に関する研究を行っています.除霜運転は,ヒータで蒸発器を加熱することによって霜を融解させる運転ですが,ヒータを動かすのに大きな電力を要するので,短時間で除霜を完了させることが求められます.除霜運転時の蒸発器内の冷媒挙動を明らかにし,除霜運転に要する電力の削減を目的として研究を進めています.

Fig.1 実験装置概略

ループヒートパイプの伝熱特性

ループヒートパイプ (Loop Heat Pipe, LHP) は,電子機器冷却などに用いられているヒートパイプと似た構成をしていますが,流体循環の動力となる毛細管力を生み出すウィックが蒸発器だけに設置されているところや,蒸気専用配管,液専用配管からループを形成しているところなどが異なります.LHPは大量の熱を長距離輸送できるという特徴があり,大規模サーバーなどの電子機器冷却などに適したデバイスとして注目されています.当研究室では,下図のようなループヒートパイプ実験装置を用い,さまざまな流路形状,材質,ウィック構造を有する蒸発器における伝熱性能の評価により,蒸発器内の熱・物質輸送メカニズムを明らかにすることを目的とし,研究に取り組んでいます.
LHP
ループヒートパイプ実験装置概略

過去の研究

空調用フィンチューブ熱交換器の高性能化に関する研究

二酸化炭素のヒートポンプサイクル特性に関する研究

混合自然冷媒を用いた冷凍サイクルに関する研究

CO2/DME混合冷媒の管内熱伝達に関する研究

R410Aの細径水平管内の熱伝達に関する研究

冷媒分流器内における気液二相流に関する研究

臭化リチウム水溶液による水蒸気吸収に関する研究

二相流エジェクタを用いた冷凍サイクルに関する研究