熱エネルギーシステム学
宮良研究室



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- 混合自然冷媒を用いた冷凍サイクルに関する研究 -

 現在、オゾン層の破壊や地球温暖化の問題によって冷凍空調分野において広く使用されてきたフロン系冷媒の規制が進んでいる。このため、オゾン層破壊係数がゼロ、地球温暖化係数の小さい二酸化炭素(CO2)や炭化水素、アンモニアなどの自然冷媒を使用する試みが注目を集めている。CO2は給湯機の冷媒として使用されているが、CO2冷媒を用いた給湯機は運転圧力が高くなることや、CO2を空調機の冷媒として使用した場合には成績係数が低いという問題点を持っている。
 本研究室では、CO2にジメチルエーテル(DME)を混合させた冷媒を用いたヒートポンプサイクル(図1)の特性や成績係数を明らかにするためのサイクル解析を行っている。DMEを混合することにより、運転圧力の低下が期待できる。図2はCO2/DME混合冷媒の遷臨界サイクルのT-s線図を表している。CO2/DMEを用いたサイクルでは、運転条件により遷臨界サイクルとなる。遷臨界サイクルではサイクルの高圧側で冷媒が超臨界流体になり、水を加熱する際に冷媒は(1→2)のように大きな温度変化をともなう。給湯を仮定した条件では、DMEの濃度を増加させることによってサイクル圧力は低下し、成績係数は向上する解析結果が得られた。

図1 サイクル概要図 図2 T-s 線図