現在、オゾン層の破壊や地球温暖化などの問題によって、冷凍空調機器において広く利用されてきたフロン系冷媒の規制が進んでいる。本研究では、フロン系冷媒に代わる新冷媒として二酸化炭素（CO2）とジメチルエーテル（DME）の混合冷媒の研究を行っている。
　実験装置は基本的な蒸気圧縮式の冷凍サイクルであり、図１に示すように圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器から構成される。CO2/DME混合冷媒の実用には、蒸発器および凝縮器で用いられる熱交換器内の伝熱管での伝熱特性を明らかにする必要がある。そこで本研究では、CO2/DME混合冷媒の凝縮器および蒸発器における管内熱伝達と圧力損失を実験によって明らかにしている。実験では図２に示すように対向流型の二重管式の熱交換器を用い、冷媒は熱源水と熱交換する。