熱エネルギーシステム学
宮良研究室



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- 冷媒分流器内における気液二相流に関する研究 -

 近年、空調機等で用いられている熱交換器の小型化、高性能化が求められ、従来よりも径の小さな管が使われるようになった。径の小さな管を用いた熱交換器では、気液二相状態の冷媒がいくつかの管に分配される。この際、冷媒の偏流を抑制して伝熱性能のばらつきを低減することにより、高性能化をはかることが出来る。冷媒の偏流は、熱交換器に冷媒を分配する分流器内で、気液二相冷媒が不均一に分配されるために起こってしまう。そのため分流器では、気液二相冷媒を均一に分配する必要があるが、その内部での流動特性はよく分かっていない。
 本研究では空調機用熱交換器で使用されている冷媒分流器に着目して、その内部の流動特性を明らかにする。実験的研究として、分流器内の可視化実験を行っている。水−空気の二相流を透明な分流器(図1)に流すことにより可視化を行い、その周辺での冷媒の流動状態を観察し、流量の気液の分配比などを測定する。また、分流器内の気液の分布や、冷媒の流れを把握するために、数値シミュレーションを行っている(図2)。数値シミュレーションでは、VOF法を用いて分流器内部の冷媒の流れを計算し、分流器内の気液二相流の流動特性について調べている。

図1 可視化用分流器 図2 数値計算結果(気液の分布)