熱エネルギーシステム学
宮良研究室



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- 空調用フィンチューブ熱交換器の高性能化に関する研究 -

 冷凍空調機器において、その構成要素であるクロスフィンチューブ熱交換器の高性能化は重要な技術課題であり、そのためには熱交換器全体の熱抵抗を低減する必要がある。熱抵抗の主な要因は、空気側および冷媒側の対流熱抵抗、フィンと管の接触熱抵抗、フィンおよび管の熱伝導抵抗である。これまでの研究により、冷媒側、空気側に関しては熱抵抗の低減が図られてきた。その結果、従来占める割合が比較的小さかった接触熱抵抗の影響が相対的に大きくなっている。
 本研究では、クロスフィンチューブ熱交換器におけるフィンと伝熱管との接触部に注目した。接触部においてフィンと伝熱管が接触せず、フィンカラー終端とフィン根本部の曲面、伝熱管により、断面が三角形状の空間が管まわりに形成されている(図1)。フィンと伝熱管の間の接触熱抵抗には、この空間による影響も含まれており、この空間を小さくすることにより接触熱抵抗を低減させることが可能である。また加工・組立工程において、フィンカラーの終端が伝熱管周りで空気側へ突出することがあるが、この突出したフィンカラー終端の空気側熱伝達への影響も考える必要がある。数値流体シミュレーションにより、これらのフィンカラー形状が熱交換器性能へ与える影響について明らかにしている(図2)。

図1 フィンと伝熱管との接触部断面写真 図2 計算結果(温度分布)